北伊醤油


社名の起源は、村人から呼び親しまれた「北組の仏の伊三郎さん」の「北と伊」を使い「北伊醤油」・・・



今からおよそ百年以上も前。
明治30年(1897年)に、創業者である山上倉吉(やまがみ くらきち)が、現在の福岡県志摩町船越で、しょうゆの製造を始めました。
当時、山上倉吉は村人から各家の敷居をまたぐ際に念仏を唱えることやその人柄の良さから、本名の倉吉ではなく、別名「仏の伊三郎(ほとけのいさぶろう)」と呼ばれていました。
当時の船越村は北組、中組、西組の三つの区割りがあり、倉吉は北組に属していました。 ここから「仏の伊三郎さん」から「北組の仏の伊三郎さん」に、そして、湧き水に恵まれたこの地で、しょうゆ醸造の製造を行うにあたり、屋号(やごう)を村人から呼び親しまれた「北組の仏の伊三郎さん」の「北と伊」を使い「北伊醤油」となりました。

丸大豆・小麦・塩を原料として、昔ながらの製法で長期発酵熟成する天然醸造は、多くの手間と数年という時間をかけて造られます。だから、本物の醤油と言えるのです。

晩秋から冬に仕込み、四季の移り変わりに任せて自然な環境で行う醤油づくりを天然醸造法と言い、昔ながらの醤油は、一年から三年かけて麹菌など醸造に利用されている微生物(酵母・乳酸菌など)の働きだけを利用し、微生物の代謝および、つくり出す酵素によって発酵・熟成されます。

醤油の旨みを深めるには、2年くらいの熟成期間が必要なのです。

蒸した大豆を丁寧にほぐす



私たちの身近な調味料“醤油”
蒸した大豆は耳たぶくらいの柔らかさです。私たちは大豆を手作業で丁寧にほぐします。

発酵・熟成



北伊醤油は、もろみを木桶に“二年半”かけて、自然のまま常温で発酵・熟成させます。これがいわゆる天然醸造の工程です。

仕込み当初の「こうじ(麹)」の色は、薄いおうど色で、味も塩のカドがあり、豆の味が目立ちます。
2~3年の熟成・醗酵が進行するにつれて、大豆の形がだんだんなくなり、色も濃い茶色になります。
味も奥深いまろやかな味にかわります。

ここで微生物の働きにより、乳酸発酵から酵母発酵への醤油の発酵熟成の過程をたどって、醤油の旨みや香りがつくり出されます。

代々に渡り受け継がれてきた昔ながらの大きな杉樽。

もろみの仕込み



四角い板がついている櫂棒(かいぼう)で、もろみに空気を送り込む「攪拌」作業です。
ここにも伝統を守ってきた職人の技が継承されています。

搾り



生醤油を絞るために、槽(ふね)という木枠で囲んだ大きな箱の中で、「もろみ」を圧搾濾布に包み、丁寧に積み重ねていきます。 これを一晩おいて自然の重みで搾り出します。

最後は、圧搾機で搾って醤油になる液体の部分と醤油粕と呼ばれる固体の部分に分けられます。
発酵を終えたもろみを絞るために濾布に包みます。

醤油の容器詰め作業



生醤油の発酵を防ぎ醤油の香りを引き立てるため、大釜で醤油を高温沸騰をさせずに「炊く」火入れ作業で加熱殺菌を行い、 風味や醤油独特の香りを保ちます。

火入れ作業のあと、約1週間冷却タンクに寝かして不純物のにごりを取り除きます。 最後に、ガラス瓶に詰められて製品となります。

ふつうの醤油は、調味料や着色料で色や味や香りを調整しますが、 天然醸造の「純もろみしょうゆ」には、
一切の添加物は使用しておりません。
純もろみしょうゆ
【特吟】:2年半仕込み
【特醸】:4年半仕込み(再仕込み醤油)

船越山のおいしい水


醤油の醸造に使用する「仕込み水」は、醤油の“色合い”と“まろやかな味”を造り出すと共に、醤油の品質を左右する重要な原料のひとつです。

北伊醤油は、船越山が天然の濾過装置となり生み出す「湧水」に恵まれ、この天然の「湧水」を仕込み水として醤油を醸造しています。